旅育ってなに?~子どもの“生きる力”を育む新しい家族旅行のカタチ~
- kumikokamon
- 8月7日
- 読了時間: 3分
更新日:10月7日

前回の記事では、旅育が注目されている背景についてお伝えしました。
今回は、そもそも 「旅育とはどんなものか?」 を、子育て世代の目線でわかりやすく整理してみます。
旅育とは、旅行を「遊び」や「観光」だけで終わらせず、子どもの“生きる力”を育む教育の場としてとらえる新しい家族旅行のスタイルです。
ここからは、旅育の定義と、実際にどんな体験がそれに当たるのかを紹介していきます。
旅育の定義

旅育は、旅行を通じて 非認知能力(やり抜く力・共感性・挑戦心など) を育むことを目的としています。
世界的にも「テストの点数だけでは子どもの力を測れない」という考え方が広がっています。経済協力開発機構(OECD)の教育プロジェクト「Education 2030」でも、未来の学びには協力する力や挑戦する力、自己調整力などの“社会情緒的スキル”が不可欠であると示されています。つまり、旅育で体験できる学びこそが、これからの社会に必要とされる力なのです。
旅育の具体的なイメージ
1.自然体験

川遊び、登山、キャンプなど自然に触れる体験は、子どもの五感を刺激します。日本財団の調査(2020年)によると、
「自然体験が豊富な子どもほど、自己肯定感や社会性が高い傾向がある」(日本財団「子どもの体験格差リポート」より)
自然の中での挑戦は「やってみよう!」という前向きな気持ちを育てます。
2.文化体験

地元の人との交流や伝統行事への参加は、子どもの視野を広げます。文部科学省も、
「地域の人や文化との関わりは、子どもの協調性や多様性理解を深める」(文部科学省「幼児教育の基本的な考え方」より)
旅先での文化的なふれあいは、共感性や協調性を養う絶好の機会です。
3.農業・食育体験

野菜の収穫や料理体験は、「食べること」の意味を学ぶきっかけになります。ベネッセ教育総合研究所の調査(2022年)でも、
「収穫や調理などの実体験を通じた学びは、子どもの意欲や自己肯定感を高める」(ベネッセ教育総合研究所「第6回 幼児の生活アンケート」より)
「自分で収穫したから食べてみたい!」という経験は、挑戦心や達成感につながります。
親子で取り組むからこそ意味がある

旅育の最大のポイントは、子どもだけでなく 親子で一緒に体験する こと。
親がそばで挑戦を見守ることで、子どもは安心感を得られる
「できたね!」という声かけが、自己肯定感を育む
親子で困難を乗り越えることで、絆が深まる
教育心理学者バンデューラ(Bandura, 1997)も、親子の共同行動は子どもの自己効力感を高めると指摘しており、旅育は家庭単位での学びの機会になります。
まとめ

旅育とは、旅行を通じて子どもの 非認知能力=“生きる力” を育む新しい教育スタイルです。
自然体験 → 五感と挑戦心を育む
文化体験 → 共感性と多様性理解を広げる
農業・食育体験 → 挑戦心と自己肯定感を高める
そして、親子で一緒に体験するからこそ、その学びはより深まり、思い出と成長の両方を残すことができます。
旅育は「遊び」と「学び」を同時にかなえる家族旅行の新しい形。
次回は、旅育で実際にどんな非認知能力が育まれるのか、5つの力(主体性・共感性・挑戦心・創造力・やり抜く力)を具体的に解説していきます。
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