体験と学びが繋がる瞬間
- kumikokamon
- 10月4日
- 読了時間: 4分
更新日:10月7日
息子が最近、食事の時にこんなことを言うようになりました。
「農家さんががんばって作ってくれた野菜なんじゃけぇ、頑張って食べる!」 「お魚の命いただいとんやけぇ、全部食べる!」
この言葉を聞いた時、「息子の中で何かが繋がったんだな」と感じました。
実は、8〜9歳は子どもの成長における大きな転換期。発達心理学では「9歳の壁」と呼ばれています。
この時期、子どもは物事を客観的に捉えられるようになり、目に見えないプロセスや他者の努力を想像できるようになります。食べ物がどうやって作られるのか、誰がどんな思いで育てているのか——そうしたことを理解できるようになるのがこの時期の特徴です。
「9歳の壁」って何?
9歳前後は、子どもの認知発達における重要な転換期で、「9歳の壁」と呼ばれています。
この時期、子どもは物事を客観的に捉えられるようになり、対象との間に距離をおいた分析ができるようになります。
例えば、食べ物が食卓に並ぶまでのプロセスを想像したり、他者の努力や気持ちを理解したりできるようになるのがこの時期の特徴です。抽象的な思考ができるようになることで、体験と知識が結びつき、より深い理解が生まれます。
息子の中で「点と点」が「線」になった瞬間
息子(現在小3・8歳10ヶ月)は、FamilyTripの取り組みを通じて、農業体験をたくさんしてきました。
特に最近では、田植え→稲刈りという一年を通じた経験を積むことができました。
泥だらけになって植えた苗が、数ヶ月後には黄金色の稲穂になる。その過程を自分の目で見て、手で触れて、体で感じてきました。
そして小学3年生では、学校でも農業について学びます。
自分の体験と教科書の知識が重なった時、息子の中で「理解」が「実感」に変わったのだと思います。
点と点だった理解が、線になり、自分の生活と結びついた証拠なのかな?と感じています。
これは年齢による成長? それとも体験の効果?
「この変化は年齢による成長なの?それとも体験活動の効果なの?」
そう疑問に思う方もいるかもしれません。
答えは、「両方が重なり合って生まれた成長」と考えています。
息子の成長を支えた3つの要素
1. 年齢による認知発達(土台)
8歳10ヶ月という年齢で、因果関係や他者の努力を理解できる認知能力が育っている
2. 継続的な体験活動(経験)
田植え→稲刈りという一年を通じた農業体験により
点と点だった知識が線でつながった
食べ物が自分の手元に来るまでのプロセスを実感
農家の方の労力を体感的に理解
3. 学校教育との相乗効果(学び)
小学3年生の社会科で農業を学習することで
体験と知識が結びついた
抽象的な学習内容が、自分の体験で裏付けられた
年齢による発達が土台となり、継続的な体験が経験となり、学校での学びが知識となって、三つが結びついた時、子どもの中で深い理解が生まれるのです。
体験活動の効果は1〜2ヶ月続く——だからこそ「継続」が大切
研究によると、体験活動の効果は活動後1〜2ヶ月程度続くと言われています。
だからこそ、春・夏・秋・冬と季節ごとに体験の機会をつくることで、一年を通して良い影響が途切れることなく続いていきます。
継続的に体験を重ねることが、子どもの心と体の成長を支えるのです。
≫体験活動の効果については、また別のブログで触れようと思います。
すべてが特別な体験である必要はない
もちろん、田植えや稲刈りは特別な体験です。
FamilyTripのような活動も、子どもにとって大きな学びになります。
でも、すべてがこんな大がかりな活動である必要はありません。
近所の畑を見ながら「これは何ができるかな?」と話す
スーパーで野菜を選びながら「誰が作ってくれたんだろうね」と想像する
一緒に料理をしながら食材の変化を観察する
家族で散歩しながら、季節の変化を感じる
日常の中にある小さな「気づき」の積み重ねが、やがて大きな「理解」へと育っていきます。
▼国立青少年教育振興機構「子どもの成長を支える20の体験」
まとめ
大切なのは、
・継続すること🙌
・子どもの発達段階に合わせた体験を提供すること👦✨👧
・無理のない範囲で、季節を感じられる体験を暮らしの中に取り入れること🌸🌻⛄
そんな体験の積み重ねが、子どもの心を豊かに育てていくのだと実感しています🌱
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